のっかーのエンジニア日記

新人SEの日記です。

【読書録】旅は旨くて、時々苦い

旅は旨くて、時々苦い
山本高樹(やまもと たかき)
2022年9月14日

旅は旨くて、時々苦い (わたしの旅ブックス) | 山本 高樹 |本 | 通販 | Amazon

はじめに

そうして味わった食べ物を思い出すと、
その時、その場所で、自分が何を感じ、何を考えていたのかも、
ともにはっきりと甦ってくる。
人間の五感のほとんどに作用する味の記憶は、
それに紐づく旅の経験を、
より強く、より深く、人の心に焼きつけるのかもしれない。

忘れられない、あの風景と。
忘れたくない、あの人々と。

「はじめに」の章で、タイトルの意味の一部が回収されています。

食べ物は確かに記憶に焼きつく感じがします。
あの時代に食べていたあの食べ物、
通っていたあのお店、
という感覚が自分にもあって、
ある食べ物、あるお店に強い愛着を抱くことがあります。

自分としては、それが生きていた証の一部のような気がして、
最近はそのようなお店や食べ物との出会いを探し求めてしまう衝動に駆られることが度々あります。

上海蟹とお人好しの詐欺師 China

そこは、僕が生まれて初めて踏んだ、異国の地だった。

最初の旅の章は、著者の最初の旅の記憶から始まります。
この章の内容自体は正直、
他の旅関連の著作でも似たことが書かれていそうな気もします。

でも、本作を全部読み終わってから振り返ると、
幾多の旅を続けてきた
旅のプロである著者にも、
こんな初々しい旅の始まりがあったのだと思わさせられました。

詐欺師に騙されることもある。
それでも踏み出した最初の一歩。
著者はなぜこの一歩を踏み出したのだろう、
どうして異国の地へ惹かれたのだろう。
そんなことを聞いてみたくなりました。

ラグメンとシンカワプとバイバイ・ストリート East Turkistan (China)

あのバイバイ・ストリートは、今、どうなっているのだろう。

この章は、本作に対する私自身の考え方が変わった転換点の一つです。
私はこの章を読んで、ようやく気付きました。
この著者が旅したその場所、その時代、その瞬間はたった一度きりしかないものなのだと。
だから、何らかの形で残しておかないと、それは永遠に失われてしまうのだと。

この著書はこれからも残り、将来色んな人が読むでしょう。
それによって、何らかの形でこの瞬間はこの世界に残るのだと思いました。

タコスと密林とモクテスマの復讐 Mexico

腹のあたりを触ってみると、しこりのように固くこわばっていて、
内側がぴくぴく震えている。
指で軽く押さえただけで、内蔵をえぐられるように苦しい。
口の中はぱさぱさに乾いているのに、
全身から、水のように冷たい汗が噴き出す。
両手が、小指の先までしびれている。

私は海外に一人で旅行したことがないです。 いつも二人以上で旅行してきました。
著者のように、こんな状態に一人でもしなったら、と思うと恐怖で身が竦みます。
そして、こんな目にあっても一人旅を続けたくなるんだ、と衝撃を受けました。
いつか一人旅にチャレンジしてみたい、でもやっぱり怖い。
そう思わさせられました。

カオマンガイと花馬車の街 Thailand

「地べたを這いずるような取材ができる人、ですね。」
実際、その言葉の通りだった。

この章も、本作への印象が変わった転換点の一つです。
この章で、著者の「プロ」としての旅の仕事の一部が描写されます。
旅の「プロ」という仕事があって、
普段本屋さんで見かける「地球の歩き方」ができているという流れを
より鮮明に感じることができました。

異国の寿司とトーテムポール USA

「あの頃、フェアバンクスの人間で、
ミチオのことを知らない人なんて、いなかったと思うわ。
すごいフォトグラファーだった。
アラスカの、ありとあらゆる場所に行って、
誰よりも情熱を込めて、
写真を撮っていたと思う...

星野道夫さんのことは、学校の国語の授業で知りました。
この章を読んで、星野さんは現地でも有名で、
また、様々な写真家の憧れの人でもあるということが
強く印象に残りました。

チャパティとダールと黄金寺院 India

遠い昔からこの地で暮らしてきた人々が、
守り続けてきたからこそ、変わらなかったのだ。
様々な軋轢に耐えながら、揺るぎない信念と、途方もない努力によって。

様々に変わるものに出会う旅の中で、変わらない空間。
その裏側を支える人々の献身。
あまりに凄まじい献身が想像されて、
単なる好奇心で立ち寄ることが憚れるような神聖さを感じました。
しかし、立ち寄る人と提供する人がともにいることで
この空間が初めて構成されているということにも気付かされました。

スノーキャップ・カプチーノと勉強の日々 India

ラダックでの取材が成功するかどうかは、わからない。
本を出せるかどうかも、わからない。
日本で続けてきた仕事は、全部なくなる。
将来には、何の保証もない。
それでもこの取材は、何としてもやり遂げてみたい。

この章が、本作で最も私にとって強く印象に残った、転換点となる章でした。
将来への不安と葛藤、その中での決断。
著者の気持ちに心が震えました。

私も挑戦してみたいことが色々あります。
でも、色んな条件を考えると踏み出せないことがあります。
そんな中でも「それでも」と言って一歩を踏み出したいもの。
私にとってそれは何なのだろう、と思わさせられました。
本当に大切にしたいこと、自分を丸ごと注ぎ出して挑戦してみたいもの。
それは何なのだろう、と考える今日この頃です。

ヒマラヤの辺境の地で、ひりひりするような不安を抱えながら、
一心不乱に走り続けていた日々。
それは、二十年遅れくらいにやってきた、僕の青春のようなものだったのかもしれない。

ひまわりの種と夜行列車 China

本当には何もわからないし、何もできない。
この世界で、自分はただ通り過ぎていくだけの存在でしかない。
あの時、僕はそのことを嫌というほど思い知った。
でも、そのわからなさを、投げ出してしまいたくはなかった。
それだけはできない、と思っていた。

この章が旅の最後の章でした。

この章ではある人物たちの様子が描かれていますが、
その説明は表面的で、深い背景までは描かれていません。
私は最初この章を読んだとき、理解できずに混乱しました。
何度かこの章を読み直しました。
おそらく著者自身が目の前の状況を本当の意味では理解できていないと感じたのだと思います。
何度か読み直して、私は、
「著者は、本当の意味を理解できないけれどもありのままを描写して伝えているのだ」
と理解しました。

旅人であるがゆえに、本当に深くその人と関わることはできない。
そのような、旅人の性質が鮮明に描かれているように感じました。

おわりに

見知らぬ土地を旅していた日々、僕は確かに、生きていた。
自分の力で、ではない。
行く先々の土地が、人々が、居場所と食べ物を分けてくれて、
僕を「生かしてくれていた」のだと思う。

私は、旅に対して少し否定的な感情を持っていました。
それは、旅という行為が消費であり、
一生懸命生きている人から色んなものを提供してもらって初めて成り立つものだと
思っていたからです。

でも、生きるという行為自体が
食べることをはじめ、あらゆるものを消費する行為でもあります。

その消費の中で、何を思い、何を為し、何を残すのか。
それをより明瞭な形で示し、実感させてくれる側面が旅にはあるのかなと思いました。
全部読み終えて、無性に旅をしたくなりました。

ネットワークスペシャリスト試験に合格しました

ネットワークスペシャリスト試験合格

2022年春期のネットワークスペシャリスト試験に合格しました。 結果は下記のとおりです。

問題 得点
午前Ⅰ 免除
午前Ⅱ 72点
午後Ⅰ 80点
午後Ⅱ 61点

ネットワークスペシャリストデータベーススペシャリストを ずっと目標にしていたので、嬉しいです。

当日の選択問題については、下記のとおり選択しました。

問題 選択
午後Ⅰ 問1(認証・認可、パケット転送)、問3(ケルベロス認証)
午後Ⅱ 問1(SSL-VPN、VDI)

読んで良かった本

試験対策として読んだ本の中で、個人的に良かった本をご紹介します。

パケットキャプチャの教科書

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この本は、パケットキャプチャツール「Wireshark」を使い、実際のパケットを見ながらネットワークプロトコルを学習できる本です。 プロトコルの解説の図が非常にわかりやすかったです。 また、文章も簡潔で読みやすかったです。 この本でプロトコルについて初めてきちんと理解することができました。

ただ、自分のパソコンで手軽に検証用ネットワークを構築する方法については記載がないので、 「自由に検証用のネットワークを構築して、パケットをキャプチャして検証しながら本を読み進める」ということはできなかったです。

ただし、著者の方がキャプチャしたパケットは公開されているので、 それを確認しながら読み進めることはできました。

1台のパソコンで検証用ネットワークを手軽に構築する方法については、私もまだ習得できていません。 今後ネットワーク設計を担当していくにあたり、ぜひ習得したいと思っています。

Linuxで動かしながら学ぶTCP/IPネットワーク入門

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この本は、Linuxで動かしながら、TCP/IPプロトコルを学べる本です。 私はAmazon Prime会員だったのでKindleで無料で読みました。 全てのコマンドをWSL2(Windows Subsystem for Linux 2)上のDockerで入力しながら読み進めました。

この本で、パケットの実際の動きが理解できるようになりました。 ネットワークスペシャリスト試験のプロトコル対策として良い本だと思いました。 この本の内容をもっと極めると、1台のパソコンの中だけで複雑なネットワークの検証も自在にできるようになるのではないかと思いました。

インフラ/ネットワークエンジニアのためのネットワーク・デザインパターン 実務で使えるネットワーク構成の最適解27

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この本は、ネットワーク構成の実践的なデザインパターンが掲載されている本です。

この本で、実際のネットワーク構成がどのようなものなのかを知ることができました。 冗長性を考慮した実践的なネットワーク構成のパターンが多く掲載されており、 過去問でもこの本に掲載されているネットワーク構成と似たものが出題されていました。

ALL IN ONE パーフェクトマスター ネットワークスペシャリスト

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この本は、ネットワークスペシャリスト試験の対策本です。

個人的には、この本が一番試験の点数を上げるのに貢献してくれたと感じています。 私が良いと感じた点は下記のとおりです。

(a) 試験に出るポイントがきちんと構造化されている

他のネットワークスペシャリスト試験対策本も何冊か読んでみたのですが、 試験範囲が膨大なこともあり、ひたすら単調に長い説明が続くものが多かったように感じました。 それに対してこの本は、重要なポイントがはっきりとわかる構成になっています。

例えば、各セクションの先頭には「30秒チェック」コーナーがあり、 セクション内の重要項目が一目で確認できるようになっています。

また、「Focus」コーナーでは、午後問題で頻出の重要な項目について、詳しい説明が掲載されています。

このように、膨大な試験範囲をきちんと綺麗に構造化して説明してくれている点が優れていると感じました。

(b) 説明が簡潔

この本より説明の詳しい本はたくさんあると思います。 しかし、この本は説明の詳しさが程よいです。 説明が詳し過ぎても要点が掴みにくいですし、 簡単過ぎても本質的なところが理解できなかったりします。

ところがこの本は、詳し過ぎず、それでいて要点はきちんと抑えて説明してくれているように感じました。 もしもさらに詳しく知りたい事項が出てきた場合には、 私の場合は下記の素晴らしいサイトを参考にすることで知識を補うことができました。

(c) 厳選された過去問が解説付きで掲載されている

重要な午後問題の過去問が厳選されて、最後の章に解説付きで掲載されています。 時間がない中、どの過去問から解いていけば効率的なのかわからなかったのですが、 とにかく掲載されている分の過去問だけは最低限目を通そうと頑張りました。 しかし結局、掲載されている分だけでも全て解き切ることはできなかったです。

これだけ厳選されていても時間がかかってなかなか解き切らないため、 手当たり次第解いていくともっと時間がかかってしまうと思います。

限られた時間を効率的に使う必要がある中で、 このように厳選して過去問を掲載してくれているのは助かりました。

ただ、もう少し改善してほしい部分もありました。 詳しくは下記のとおりです。

(x) 通常の説明と「Focus」コーナーでの説明とが離れた場所にある点

この本は、 「通常の説明が一通り終わったあとに、重要な事項については「Focus」コーナーで詳細に説明する」という形式でした。 しかしこの形式だと、同一事項の説明が離れた場所に散らばってしまいます。 そのため、私の場合は下記の方法で対応していました。

  • それぞれ同一事項の説明箇所に付箋を貼ってすぐに互いを参照できるようにする。
  • 「Focus」コーナーの重要事項を通常の説明の場所へ転載する。

個人的には、「Focus」コーナーの内容を要点のみ簡潔に 通常の説明の場所にも記載しておいてもらえると、 同一事項の説明を集約する必要がなくなって楽になると思いました。

(y) 過去問全体の優先順位とテーマの掲載がない

これはかなりわがままな願望なのですが、 (c) の厳選された過去問だけでなく、 過去数年分(例えば5年分)の午後問題については、各問題の主テーマと解くべき優先順位を掲載してもらえると、 さらに効率的に学習を進められるのではないかと思いました。

上記のように改善してほしい部分もありますが、 膨大な試験範囲を綺麗に構造化して要点を整理してある本で、 とても助けられました。

最後に

今後ネットワークの知識を深めていくためには、 先述のように、検証用ネットワークを1台のパソコンで手軽に構築する方法を習得する必要があるように感じています。

そのためには、Cisco Packet Tracer が良さそうだと感じています。 また、別の方法としては、Linuxの仮想ネットワーク機能を使用する方法も有効そうです。

現在はちょうどLinuxに興味があるため、 今後はLinuxについての学びを深めるとともに、Linuxの仮想化技術についても理解を深めていきたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。それではまた!

TCP・UDPポート番号の覚え方

TCPUDPポート番号の覚え方です。

ポート番号 TCP UDP 覚え方
20 FTP(データ) ファイルデータを連れ(20)
21 FTP(制御) ファイルデータと対(21)
22 SSH セキュアなシェルでツーツー(22)通信
23 Telnet 兄さん(23)へ電話
25 SMTP(リレー) 都合(25)考えメール送信
53 DNS(ゾーン転送) DNS(名前解決) 名前込み(53)で
67 DHCP(サーバ) DHCPサーバが咽ぶ(67)
68 DHCP(クライアント) DHCPクライアントがむっちゃ(6)ハッピー(8)
80 HTTP
110 POP3 POPな警察(110)
123 NTP ワン・ツー・スリー(123)でせーの!
143 IMAP 愛しさ(143)あふれるメール受信
161 SNMP(エージェント) エージェントの皆で広い(161)監視
162 SNMP(マネージャ) マネージャ一人(1)むづ(62)い監視
179 BGP
443 HTTPS し(4)ずかにし(4)なさ(3)い
465 SMTPS し(4)ずかに向こう(65)へメール送信
587 SMTP(サブミッション)
993 IMAPS 安全MAPは屈強さ(993)
995 POP3S

【和訳】James Blunt "Adrenaline"

私とJames Blunt

私がJames Bluntを初めて知ったのは、彼の大ヒット曲"You're Beautiful"がきっかけでした。 当時の私の悲しい心境とリンクして、芸術というのは本当に感情を昇華させるものなのだと思わされました。 美しく切ない歌詞とメロディー、そしてシンプルなミュージックビデオが心に響きました。

そんな彼がつい先日、新しく"Adrenaline"という曲をYoutubeで公開しました。 今回はその歌詞を和訳し、意味を考えてみたいと思います。

youtu.be

Adrenaline 和訳

[Verse1]

I was so unprepared

全然心の準備ができていなかったんだ

Forgive me if I stop and stare

動けなくなってじっと見つめてしまったかもしれないけど、許してほしい

Like my first lung of air

初めて肺に空気が入ったみたいだった

この部分は難しくて理解できていないです。おそらく、「君」と「僕」の出会いには、生まれて初めて息をしたときのような新しさがあったということだと思います。

I was here, and you were there

僕はここにいて君はそこにいたんだ

「君」と出会ったとき世界は背景に退いて、ただ「僕」と「君」の存在が強烈に意識されたことを表現しているのだと思います。

[Pre-Chorus]

You hitting me harder than a million goodbyes

君は百万回の別れより強く僕を打ちのめした

And this isn't a heart attack, but I feel it inside

心臓発作ではなかったけれど、内側でそれが起こったのを感じたんだ

[Chorus]

Like a shot straight to my heart

銃弾が僕の心臓を真っ直ぐ貫いたみたいだった

Adrenaline, adrenaline

アドレナリン、アドレナリン

Like a flashbang in the dark

閃光弾が暗闇の中で光ったみたいだった

Adrenaline, adrenaline

アドレナリン、アドレナリン

I take just one look at you

僕は君を一瞥しただけだった

And I think I'm bulletproof

銃弾でさえ僕には効かないと思った

When you hold me in your arms

君が僕を腕の中に抱き寄せたとき

Adrenaline, adrenaline

アドレナリン、アドレナリン

[Verse 2]

It's all a blur, I'm colorblind

全てがぼやけていた、僕は色覚を失っていた

Two bodies moving, but just one mind

二つの体が動いていたけれど、思いは一つだった

You cut me open from inside out

君は僕を内側から外へと切り開いてくれた

You lift me up and knock me down

君は僕を引き上げ、叩きのめした

[Pre-Chorus]

You hitting me harder than a million goodbyes

君は百万回の別れより強く僕を打ちのめした

And this isn't a heart attack, but I feel it inside

心臓発作ではなかったけれど、内側でそれが起こったのを感じたんだ

[Chorus]

Like a shot straight to my heart

銃弾が僕の心臓を真っ直ぐ貫いたみたいだった

Adrenaline, adrenaline

アドレナリン、アドレナリン

Like a flashbang in the dark

閃光弾が暗闇の中で光ったみたいだった

Adrenaline, adrenaline

アドレナリン、アドレナリン

I take just one look at you

僕は君を一瞥しただけだった

And I think I'm bulletproof

銃弾でさえ僕には効かないと思った

When you hold me in your arms

君が僕を腕の中に抱き寄せたとき

Adrenaline, adrenaline

アドレナリン、アドレナリン

[Bridge]

And I don't care if I overdose

過度な服用も僕は気にしない

アドレナリンを分泌させる薬の危険性と、溢れるような「君」の魅力の危険性を重ね合わせていると思われる。

'Til I'm comatose

たとえ昏睡してしまっても

I don't care, I don't care

僕は気にしない、気にしない

Let me stare 'til I overload

じっと見つめさせてほしい、僕が耐えられなくなるくらい

There's no antidote

解毒剤はないけど

I don't care, I don't care

僕は気にしない、気にしない

[Chorus]

Like a shot straight to my heart

銃弾が僕の心臓を真っ直ぐ貫いたみたいだった

Adrenaline, adrenaline

アドレナリン、アドレナリン

Like a flashbang in the dark

閃光弾が暗闇の中で光ったみたいだった

Adrenaline, adrenaline

アドレナリン、アドレナリン

I take just one look at you

僕は君を一瞥しただけだった

And I think I'm bulletproof

銃弾でさえ僕には効かないと思った

When you hold me in your arms

君が僕を腕の中に抱き寄せたとき

Adrenaline, adrenaline

アドレナリン、アドレナリン

Like a shot straight to my heart

銃弾が僕の心臓を真っ直ぐ貫いたみたいだった

Adrenaline, adrenaline

アドレナリン、アドレナリン

Like a flashbang in the dark

閃光弾が暗闇の中で光ったみたいだった

Adrenaline, adrenaline

アドレナリン、アドレナリン

I take just one look at you

僕は君を一瞥しただけだった

And I think I'm bulletproof

銃弾でさえ僕には効かないと思った

When you hold me in your arms

君が僕を腕の中に抱き寄せたとき

Adrenaline, adrenaline

アドレナリン、アドレナリン

最後に

「君」との出会いの衝撃について、心臓や肺といった臓器の単語を使って表現しているのが印象的でした。 この表現により、心だけでなく本当に体までも衝撃を受けた様子が伝わってくるように感じました。 また、銃弾や閃光弾、過剰服用やアドレナリンなど、危険な単語も散りばめられていて、危険なほどの強烈な衝撃だったことが伝わってきました。

最後まで読んでいただきありがとうございました。それではまた!

データベーススペシャリスト試験に合格しました

データベーススペシャリスト試験合格

2021年秋期のデータベーススペシャリスト試験に合格しました。 結果は下記のとおりです。

問題 得点
午前Ⅰ 免除
午前Ⅱ 92点
午後Ⅰ 68点
午後Ⅱ 62点

当日の手応えはかなり厳しく不合格かなと思っていましたが、 ギリギリで合格していて嬉しかったです。

当日の選択問題については、下記のとおり選択しました。

問題 選択
午後Ⅰ 問2(物理設計)、問3(SQL
午後Ⅱ 問1(物理設計)

概念データモデル・関係スキーマの分野を完全に避けました。 こちらの理由については、後ほど説明します。

準備

準備については、9月頃から始め、休みの日や平日の隙間時間を使って勉強していました。

準備開始前の時点で既に、 仕事でSQLを読んだり書いたりする機会があったため、 応用情報技術者試験のデータベースの知識+αは既に身についている状態でした。

使用した参考書は、「情報処理教科書 データベーススペシャリスト」のみです。

www.amazon.co.jp

過去問は、 午前Ⅱについては2回分、 午後Ⅰと午後Ⅱについては3回分解きました。

午後Ⅰと午後Ⅱについては、本当は5回~10回分くらい解きたかったのですが、 仕事のスケジュールなどで準備が間に合わず、3回分しか解くことができませんでした。

選択問題の戦略

選択問題では、概念データモデル・関係スキーマの分野を避けることにしました。 多くの受験生が選択すると思われる分野ですが、敢えて避けることに決めました。 理由としては、下記のとおりです。

(a)文章量が多く、時間が厳しい

これについては、私の文章読解スピードが遅いことが問題でした。 私はセンター試験の国語の問題で、現代文の長文問題に苦しめられた経験があります。 読むスピードが遅いのです。

データベーススペシャリスト試験過去問の 概念データモデル・関係スキーマの問題を解いていても、 試験時間内に解き終わらないことが多かったです。

(b)最初の方の問で勘違いした場合に、後続の問が壊滅する可能性がある

概念データモデル・関係スキーマの問題は、問が互いに密接に関係している傾向があります。 そのため過去問を解いていて、最初の方の問で勘違いしてしまったために、 それが後半にも影響して壊滅的な結果になることがありました。

これを避けるには、入念な対策をしておいて、 事前にパターンの体系化を完了させておかなければならないと感じました。

勉強開始当初は、 概念データモデル・関係スキーマの過去問を10回分くらい解いて、 パターンを瞬時に見抜けるようになるまで鍛錬しようと計画していました。

しかし、試験1週間前になり、全く準備が間に合いそうにないことが明らかになりました。 このままでは試験当日に壊滅的な結果になる可能性が高いと判断し、 概念データモデル・関係スキーマの分野を避けることを考え始めました。

(c)概念データモデル・関係スキーマの分野の問題を避けて問題を選択することができる

データベーススペシャリスト試験の選択問題の戦略について悩み、いろいろ調べていたところ、 下記の記事を見つけました。

wakuwakustudyworld.co.jp

上記の記事を読んで、「苦手な概念データモデル・関係スキーマを避けて、物理設計のみに絞って対策しても、 もしかしたら合格できるかもしれない。」と思い、試験1週間前に物理設計へと対策の軸を移しました。

概念データモデル・関係スキーマの分野を避ける戦略の結果

先述の(a)(b)(c)の理由から、概念データモデル・関係スキーマを避けることに決めました。

結果的に、この決断は良かったと思います。

(a)の読解スピードが遅い点については、 物理設計の問題では定型的な説明文のパターンがいくつか決まっているので、 事前に一度それらを読んで理解しておけば、 当日はその説明部分は流し読みでも問題なかったです。 結果、集中して読む必要のある文章の量を減らすことができました。

(b)の前半で躓くと後半まで壊滅してしまう点については、 物理設計の問題ではそれぞれの問が概念データモデル・関係スキーマほどは密接に関係していないように感じました。 結果、過去問を解いていても、前半で失敗して後半が壊滅してしまう、というパターンはほぼ無かったです。

(c)の概念データモデル・関係スキーマ分野の大問を避けることが可能という点については、 2020年秋期試験において真実でした。 今後はどうなるかわかりませんが、一つの有効な戦略であると思います。

結果、ギリギリで合格でき感謝の思いでいっぱいです。 ただ、もっと物理設計の対策にかける時間を多くするべきだったと思います。

当日は、実力としては合格に達していない感覚がありましたが、 諦めずに最後まで問題に噛り付き続けました。 脳内では、漫画「寄生獣」のセリフがリフレインしていました。 ちょっと恥ずかしいですが、事実なのでセリフを書き残しておきます(笑)

できるだけ多くのことを...考えをめぐらせてみておくれ...
ものごとすべて投げちゃあおしまいなんだからさ
どんなことがあろうとも決してあきらめず臨機応変にね


なんだ...ほとんど可能性ゼロに近いじゃないか!
でもやらなけりゃ...確実な0だ!!

今後について

私は、まだ仕事でデータベースの設計を担当したことがありません。 これらの設計工程は極めて重要であり、先輩のエンジニアの方が担当されることが多く、 なかなか私に機会が回ってこないのが現状です。

しかし、今回こうしてデータベーススペシャリストの資格を取得できたので、 これをきっかけにして、今後はきちんと設計工程も任せてもらえるようなエンジニアに成長していきたいです。

また、試験対策では概念データモデル・関係スキーマを避けてしまいましたが、 これらの分野は設計をする上で極めて重要です。 そのため、実際に自分で小規模な概念データモデル・関係スキーマを設計するなどして練習していきたいです。

物理設計については、奥が深くて面白いなと感じ、試験終了直後に下記の本を購入して、 空き時間に少しずつ気になったところを読んでいます。 データベースのインデックスで使用されているbツリーについて正確な説明が書かれていたりして、 とても読み応えがあります。

www.amazon.co.jp

また今後は、ネットワークスペシャリスト試験にも挑戦してみたいと思っています。

読んでいただきありがとうございました。 それではまた!

PowerShellでjavaコマンドの-Dオプションを使用できない問題

PowerShelljavaコマンドの-Dオプションを使用できない

PowerShelljavaコマンドを使用する際に、 -Dオプションでシステムプロパティを設定しようとしたのですが、 エラーが起きてうまくいかなかったです。

例えば、下記のコマンドをPowerShellで実行すると、

java -Dhttp.proxyHost=proxy.com -Dhttp.proxyPort=8080 -version

下記のエラーが発生します。

java.lang.ClassNotFoundException: /proxyHost=proxy/com

原因

原因は、 PowerShellでは-の付いている引数がパラメータ名として解釈され、 さらにパラメータ名としては.を含むことができず、 .の前までがパラメータ名としてそれ以降の文字列と分割されてしまうため、 とのことです。

確かに、エラーを見ると、/proxyHost=proxy/comというクラスを指定していることになっています。 これは、-Dhttp.proxyHost=proxy.com.proxyHost=proxy.comの部分が-Dhttpと分割されて、 オプションではなくjavaコマンドのメインクラスを指定する引数として解釈されてしまっているということだと思われます。

https://stackoverflow.com/questions/28704867/why-does-powershell-split-arguments-containing-hyphens-and-periods

解決策

解決策1

それぞれの-Dオプションを"で囲むと問題なく実行できるようになります。

java "-Dhttp.proxyHost=proxy.com" "-Dhttp.proxyPort=8080" -version

解決策2

それぞれの-Dオプションの直前に`を置くと問題なく実行できるようになります。 `PowerShellにおけるエスケープ文字らしいです。

java `-Dhttp.proxyHost=proxy.com `-Dhttp.proxyPort=8080 -version

解決策3

直接-Dオプションを書くときは、上記の解決策1または解決策2でも良いのですが、 私の場合、環境変数JAVA_OPTSに一連の-Dオプションを保存しています。 そのため、環境変数JAVA_OPTSを使って、下記のようにjavaコマンドを実行したいです。

java $Env:JAVA_OPTS -version

しかしながら、これでは最初と同様にエラーが発生してしまいます。

そこで、環境変数の中の文字列に対して、 解決策1または解決策2の解決策を適用します。

私の場合、下記記事を参考に解決策2を採用することにしました。

https://stackoverflow.com/questions/6347985/cannot-run-maven-using-mvn-d-argument-within-microsoft-powershell-but-works

具体的には、下記の手順でコマンドを実行するようにしました。

  1. コマンド全体を文字列として記述する。
  2. その文字列の-D`-Dに置換する。
  3. 置換後の文字列をコマンドとして実行する。

上記手順をワンライナーにまとめたコマンドは下記のとおりです。 ;で2個のコマンドを区切ることで強引に1行にしています。

$command = "java $Env:JAVA_OPTS -version".replace('-D', '`-D'); Invoke-Expression $command

この解決策は、 Mavenのmvnコマンド(mvnwコマンド)を実行する際に-Dオプションを使用する際や、 Graldeのgradleコマンド(gradlewコマンド)を実行する際に-Dオプションを使用する際にも、 同様に適用できると思います。

最後に

最後に、PowerShellのバージョン情報($PSVersionTable の実行結果) を記載しておきます。

Name                           Value
----                           -----
PSVersion                      7.0.8
PSEdition                      Core
GitCommitId                    7.0.8
OS                             Microsoft Windows 10.0.19043
Platform                       Win32NT
PSCompatibleVersions           {1.0, 2.0, 3.0, 4.0…}
PSRemotingProtocolVersion      2.3
SerializationVersion           1.1.0.1
WSManStackVersion              3.0

PowerShellbashと違うところが多く、 もっと勉強が必要だなと感じています。

読んでいただきありがとうございました。 それではまた!

【読書録】イノベーション・オブ・ライフ (How Will You Measure Your Life?)

イノベーション・オブ・ライフを読んだので、読書録を残します。もしこれを読んでご興味を持った方は、ぜひ本文を読んで、直接この講義を味わっていただきたいと思います。この読書録には私の解釈が入ってしまっていますので。

序講

わたしはどうすれば次のことが確実にできるだろう?
・どうすれば幸せで成功するキャリアを歩めるだろう?
・どうすれば伴侶や家族、親族、親しい友人たちとの関係を、ゆるぎない幸せのよりどころにできるだろう?
・どうすれば誠実な人生を送り、罪人にならずにいられるだろう?

これら3つの質問について、それぞれ第1,2,3部で語られている構成でした。

「自分の人生を評価するものさしは何か?」という問いに、あなたがいつか自信をもって答えられるようになることを願ってやまない。

第1講 羽があるからと言って...

「飛行能力」と「羽があること」との間には、高い相関性がありますが、「羽があること」自体は「飛行能力」の直接の原因を説明することはできません。飛行能力の直接の原因は、揚力にあります。これと同様に、人生の幸せの原因を説明するには、理論が必要です。

この講で個人的に印象に残ったのは、下記のことばです。

簡単な解説策は、とてつもなく魅力的だ。大金を稼ぐための確実なステップであれ、幸せな結婚生活を送る四つの秘訣であれ、幸せな結婚生活を送る四つの秘訣であれ、効果があると信じたいのはやまやまだ。しかし世間一般に広まっている方法のほとんどは、せいぜいいくつかの事例を根拠にしているにすぎない。人生の難問に答えを出すには、「何が、何を引き起こすか」を深く理解することが欠かせない。本書で紹介する理論は、まさにそのためにある。

「○○の秘訣」というノウハウではなく、物事の背景にある理論こそが重要であるという主張が印象的でした。この主張は、以前読んだことのある「7つの習慣」に通ずるものだと思いました。7つの習慣には、下記のような言葉があります。

この人格主義では、「成功」といわれるような人生には、その裏付けとなる原理原則があり、その原則を体得し人格に取り入れる以外に、人が真の成功を達成し、永続的な幸福を手に入れる方法はないと教えています。

表面的な事象ではなく、背景の原理(理論)こそが重要であるという主張が共通していると思いました。

この講でもう一つ、個人的に印象に残ったのは、アメリカの電気炉製鋼メーカーであるニューコアが巨大な総合製鉄会社を破壊した事例です。完全に脱線ですが、この事例が日本にも当てはまるのか疑問に思い、簡単に調べてみました。

すると、日本で総合製鉄会社の経営が苦しいという内容の記事が多数見つかりました。
https://asahi.gakujo.ne.jp/research/industry_topics/detail/id=3028

しかし、その一番の原因は、日本国内の電気炉製鋼メーカーが急成長して総合製鉄会社を破壊したためではないように思われました。なぜなら、総合製鉄会社である日本製鉄グループの子会社として、電気炉製鋼メーカーが複数存在しているためです。すなわち、2021年現在は、日本国内で電気炉製鋼メーカーが総合製鉄会社を破壊しようとしている訳ではないと思われます。

むしろ最大の原因は、中国の鉄鋼メーカーによる過剰生産のようです。
https://the-owner.jp/archives/4133

以上、脱線でした。

第1部 幸せなキャリアを歩む

第2講 わたしたちを動かすもの

私たちを動かすものは、何なのか。この講では、それを説明する動機づけ理論(モチベーション理論)について説明されています。

動機づけ理論では、仕事の満足感は、衛生要因と動機づけ要因の2つの要因によって決まると説明しています。衛生要因は、少しでも欠ければ不満につながる要因です。一方で、動機づけ要因は、わたしたちを心から満足させる要因です。

衛生要因には、

  • ステータス
  • 報酬
  • 職の安定
  • 作業条件
  • 企業方針
  • 管理方法

などが含まれ、 動機づけ要因には、

  • やりがいのある仕事
  • 他者による評価
  • 責任
  • 自己成長

などが含まれると説明されています。

これを読んで、私は新約聖書の言葉を思い出しました。

何を食べようか、何を飲もうか、何を着ようかと言って、心配しなくてよいのです。これらのものはすべて、異邦人が切に求めているものです。あなたがたにこれらのものすべてが必要であることは、あなたがたの天の父が知っておられます。まず神の国と神の義を求めなさい。そうすれば、これらのものはすべて、それに加えて与えられます。

衛生要因は、欠けると非常に困るものであり、生きていく上で必要なものです。しかし、それを切に求めても、そこには真の満足はない、という意味かなと私は理解しました。むしろ、人の心のエンジンに点火させるような大切なものを見つけ、それに向けて自分を注ぎ出すことが大切なのかなと思いました。

第3講 計算と幸福のバランス

どのようにして衛生要因を満たしつつ、動機づけ要因も満たすキャリアを見つけることができるのか。この講では、創発的戦略と意図的戦略について説明されています。

創発的戦略は、予期されない機会に直面して修正される戦略であり、意図的戦略とは、予期された機会を追及して決定される戦略のことであると理解しました。

予期されない機会に対しては創発的戦略を使い、心を開いてその機会を受け入れる、という姿勢が大切なのだと感じました。一方で意図的戦略も等しく重要であり、静まって自分自身を見つめ直し戦略を主体的に立てる時間を確保することも大切なのだと思いました。

私は就職活動の時、自己分析をしていたのですが、その時点ではまだわからない・決められないことが多いなと思っていました。しかし、何はともあれ一旦、精一杯意図的戦略を立てて、その後で創発的戦略により進む方向を修正していけばよいのだと納得しました。

第2部 幸せな関係を築く

第5講 時を刻み続ける時計

家族や親しい人間と幸せな関係を築くために注意すべき点は何か。この講では、良い資本と悪い資本の理論について説明されています。

新規事業の初期段階では、良い資本を投資し、「成長は気長に、利益は性急に」求めることが大切だが、一旦利益が出せる有効な戦略が見つかったら、次は悪い資本を投資し、「成長は性急に、利益は気長に」求めていく姿勢が大切であると理解しました。

正直、この部分は難しくてあまり理解できませんでした。小さく始めて後でスケールさせるという原則のことを言っているのかなと思いました。

人間関係の投資については、

大切な人との関係に実りをもたらすには、それが必要となるずっと前から投資をするしか方法はないのだ。

と語られています。

人間関係の投資というのは繊細な気配りが必要であり、なおざりにしていると気づかないうちに壊れてしまうのだということが印象に残りました。

第6講 そのミルクシェイクは何のために雇ったのか?

人間関係を深めるために効果的な方法は何か。この講では、「片づけるべき用事」の理論について説明されています。

「片づけるべき用事」の理論について、その心が下記の言葉で説明されています。

どんな状況にも合う、唯一の正解など存在しない。まず顧客が片づけようとしている用事を理解することから始めよう。

この理論を人間関係に当てはめるとき、著者は「犠牲と献身」について語っていることが大変印象に残りました。

相手のために一方的に何かを犠牲にすれば、相手との関係を疎ましく感じるようになると思うかもしれない。だがわたしの経験から言うと、その逆だ。相手のために一方的に何かを犠牲にすることでこそ、相手への献身が一層深まるのだ。

個人的なことですが、あるコミュニティでの役割について、その役割を果たすために犠牲を払うことを「もったいない」と時々感じている自分がいました。しかし、そのコミュニティが自分にとって本当に大切なものならば、犠牲を払うことはただの重荷ではなく、より深い喜びへとつながりうる契機なのだと気づかされました。

第7講 子どもたちをテセウスの船に乗せる

子どもの能力をいかに育むべきか。この講では、能力の理論について説明されています。

端的に言うと、企業ができること、できないことを決定する要因、つまり能力は、「資源」「プロセス」「優先事項」の三つのいずれかにあてはまる。

三つの要因は、相互に重なりがなく、全体として漏れがないからだ。

正直に言うと、この部分が最も理解が難しい部分でした。「資源」は、人かモノを一般的に指すとのことでした。「プロセス」は、価値あるものを生み出す方法のことを指すとのことでした。「優先事項」は、意思決定に指針を与える要因とのことでした。

これら三つの要因が相互に重なりがなく、全体として漏れがないという部分についてその根拠が説明されておらず、本当にそうなのかいまいち納得できませんでした。今後、機会があったら検証してみたいなと思いました。

さて、著者はこの理論を子どもの能力に適用します。

端的に言えば資源は何かを行う手段、プロセスは方法、優先事項は動機にあたる。

この適用の仕方も、「手段」と「方法」が重複しそうで、納得しにくかったです。

ただ、子どもには、手間がかかるけれど困難に立ち向かう機会を備えてあげることが大切だということについては深く納得できました。

全く脱線ですが、この講で著者が幼い頃は家庭が豊かでなく、リーバイスのズボンが一人二本だけずつ与えられていたという話が印象的でした。個人的にはリーバイスは高級なイメージがあったのですが、アメリカではそうではないのかもしれないと思いました。もしくは、他のジーンズと比べて多少高価かもしれませんが、非常に丈夫なので長期的に見ると安く済むということだったのかもしれません。いずれにしても、良いモノを直しながら長く使い続けるというのは、愛着と自尊心を育む良いきっかけなのかもしれないと思わされました。私はどちらかというとこれまで、服は最低限の機能を備えていればよく、なるべくリーズナブルな方が良いと思っていました。しかし、服にまつわる愛着、自尊心なども含めると、そんなに単純に割り切れるものではないのかもしれないと感じました。

以上、またもや脱線でした。

第3部 罪人にならない

第10講 この一度だけ...

どのようにして破滅への道を避けるべきか。この講では、限界的思考について説明されています。

目先の収入を優先する結果、長期的には総費用を支払う羽目になると説明されています。

この講で個人的に印象に残ったのは、著者が神への誓いを守って大切なバスケットボールの試合への出場を断念したところです。この部分を読んで、その直前の著者の言葉が何倍にも心に深く響くようになりました。

これこそが限界的思考、つまりこの一度だけを自分に許すこと、自分のルールを「いつも」守るのではなく、「ほとんどいつも」しか守らないことの怖さだ。一度ではすまなくなるのだ。

この講の最後の言葉がこれです。

妥協の道の第一歩が現れたら、踵を返そう。

以上、読んでいただきありがとうございました。 それではまた!

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